NMRは電磁波を用いて分子構造を解析する装置で、医療用のMRIと同様な計測原理を使っ
ています。NMRは水素原子以外の原子も測定可能ですが、現状では測定感度が十分に高くありません。
測定センサーともいえるNMRプローブは、おもに測定試料に電磁波を送信するコイルと、返ってきた電磁波を受信するコイル
(アンテナ)から成ります。NMRの測定感度は、電磁波を送受信するRF: Radio
Frequencyコイル(アンテナ)の性能に依存します。RFコイルの電気抵抗が小さいほどロスが少なくなり測定感度が向上します。本研究は、従来の
RFコイルに使用されていた銅を、高温超電導体(HTS : High Temperature
Superconductor)に変更することによって、超高感度NMRプローブの実現を目指しています。