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岡村研究室

岡村研究室へようこそ。
岡村研究室では、超電導、極低温利用のための応用技術を研究しています。

RESEACH
4. 超電導コイル保冷システムの開発
超電 導コイルはその特性上、数十K以下まで冷却しなければなりません。

そのためには効率の良い冷凍機が必要になります。

しかしながら、冷凍機が優れていてもそれだけでは不十分で
断熱力に優れた容器もまた不可欠 です。
超電導コイルを包む容器内は真空になっているため、空気を介しての熱侵入はありませんが、コイルを支える支持材からの熱伝 導、壁面からの
熱ふく射による熱侵入があります。
熱ふく射に対しては壁面との間にふく射シールドと呼ばれるものを設置することによりその低減が可能になります。

熱伝導は支持材の形状、素材を工夫することで熱侵入を低減できますが、コイルを支える重要な役割がある関係で限界がありま す。

そこで、上の図のような超電導コイル付近に
熱容量の大きなバッファを取り付ける というアイディアがあります。

私たちは極低温において大きな比熱のある
固体窒素に着目をしま した。

固体窒素は比熱がずば抜けて大きく、わずかな重量の増加で大幅な保冷能力の改善が見込めます。
氷は固体窒素程度ではないものの、大きな比熱を有しており、何より常温でも気化する恐れがないので、取り扱いが簡単です。

このような、アイディアによって保冷能力が改善されれば、
冷凍機なしの保冷システムが使用可能になり、超電導シ ステムの大幅な軽量化が見込まれます。